好きな人をただ観察するだけの日記。

好きな人をただ観察するだけ。

観察82日目。

今日の昼間、

君は3回目のお茶会を開いてくれた。

学祭の準備で忙しい最中

僕なんかの為に時間を空け

ケーキまで焼いてくれたのだ。

ふわふわの大きなシフォンケーキ。

中はちゃんとしっとりしていて美味。

本当はお見舞いのお礼なんていいのに、と

思ったのだけれど、

君と話す機会は逃したくないと思い、

誘いに乗った。

夕方から学祭の打ち合わせがあると

聞いていたので三時間程度で

お茶会は終了させた。

引越しの件をさらりと最後に言ったら

君は酷く動揺をしてみせた。

そんな姿を見てしまうと

また少しだけ期待してしまいそうになる。

でも、君が動揺するのは分かっていた。

だってずっと近くにいたから、ね。

距離が出来るのは初めてだから

それは凄く動揺するさ。

そしてなんでもっと早く言ってくれないの?

と怒られてしまった。

だってあまりにも早過ぎると

僕の決心も揺らぎそうだったし、

君を悩ませるのも嫌だったのだ。

僕はすかさず

「都内にはいるし」と言っては見たものの

「それは分かるけど…そう言うんじゃなくて」

君は頰を膨らませていじけてみせる。

その顔も凄く可愛いよ…

でも僕はそろそろ色々と限界なんだよ。

何も壊したくないし、

君を失いたくもないんだ。

だから分かってくれよ、とも言えず

ただごめん、と謝る事しか出来なかった。

君も気を取り直して

「引っ越したら絶対に遊びに行くもん」

なんていじけながらも言ってくれたので

少し助かった上に

抱きしめたい衝動に駆られたけれど、

そんな事出来る筈もなく、

「ああ、いつでもおいでよ」

答えた後、ただ黙って君を見つめていた。

夕方、君と別れた後

恵比寿まで向かい、色々家具を物色。

余計な事を考えなくて済むけれど

少し買い過ぎた気もする。

改めて買ったものを出し

どうするんだ、コレ?と

漆黒の鹿の頭のオブジェを見つめている。

まぁ、新居の壁にでも飾るか。

 

メモ:やはり早めに距離を置きたい。

   僕が僕でいられなくなるその前に。