観察97日目。
君は迎え入れる僕の部屋は全体的に白い。
その白さが目に入ると、暴走しがちな感情が抑えられた。
部屋に入るなり君は
「なんかお洒落すぎる!」
なんて何故か少し怒りながら部屋中を見渡す。
「家にいた頃はこんなんじゃなかったのにー」
二人掛けのソファを見つけ座っていい?とジェスチャーするので
どうぞと言った。
置いてあるクッションをぎゅっと抱きしめて
「さては彼女出来たな?正直にいいなよ?」
僕の顔を覗き込んで聞いてくる。
「彼女なんていないよ」
「えー嘘だ、これ全部ひとりで考えたお部屋のコーデなの?」
「勿論、まあ店の人にも相談はしたけれどね」
そう言うとやっと理解したようで、なーんだと足を伸ばして言った。
嘘でもいるって言ったらどんな反応をしたのだろうか?
なんて思っては見たものの、嘘をつくのは違うからやめた。
僕はエスプレッソマシーンで君の好きなカフェラテを作りながら
君の話に耳を傾ける。
やはり違和感、だな。
君が僕の部屋にいる事、が。